我が家は毎日新聞を取っているのだが、昨日読んだ「おんなの気持ち」にちょっと感銘を受けた。
まさかネット上にはないだろうとおもったら、全文でていたので、リンク先とともに全文を無断転載。
インターネットは悪い側面ばかり言われるが、会うこともなかった人と人とを結びつけることもある。
(それで人を傷つけてしまうこともあるが)↓のような話を読むと、少し心が暖かくなる。

http://mainichi.jp/life/kimochi/archive/news/2009/20090922ddm013070152000c.html
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ひきこもり娘 東京都杉並区・匿名希望(無職・33歳)

 私はうつ病で、5年近くひきこもり状態にある。過去1カ月に会話を交わした相手は両親以外では主治医だけという状態だった。

 そんな私にインターネットを通じて、エミというフィンランド人のうつ病の友達ができ、思い切って会いに行くことにした。

 彼女とはすぐ意気投合した。観光はほとんどせず、2人で長風呂ならぬ長サウナをしながら、飽きもせず語り合った。

 日本の漫画やロックバンド「ナイトメア」が大好きな彼女と話題が尽きることはなかった。

 日曜日にはエミにビジュアル系の化粧をしてもらった。真っ黒なえんび服を着て、おしゃれな教会で写真を撮ってもらった。

 写真の中の自分は別人だった。化粧どころか洗顔もせず寝たきりだった私の姿はそこになかった。

 「王子様みたいだよ。本当にかっこいい」

 生まれて初めて「かっこいい」と言われた。素直にうれしく、心から笑うことができた。完全にうつを忘れていた。

 「あなたは私の大切な親友」

 その言葉で5年間背負っていた何かがするっと落ちた。うつ病患者に一番必要なのは薬ではなく友達なのかもしれない。本音で話せて、一緒にケラケラ笑える親友さえいれば、この国の自殺者はずっと減るに違いない。

 来年の夏はエミを日本に招待したい。その日を楽しみに、私はひきこもりを卒業し、毎日ウオーキングなどリハビリに励んでいる。

毎日新聞 2009年9月22日 東京朝刊
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