本紙で読んで、こりゃいいハナシだ、切り抜きしとこう、と思ったが、絶対に忘れるので、ネットでメモ。
なかなか面白い(=興味深い)ハナシ。
風邪を引いている人に近寄らないように、愚痴ばっかり言う人には近寄るな、か。
うーん、以て他山の石とすべし。そりゃそうだ、会って話すと愚痴とか不満とかくらいハナシばかりしている人には、「もう一度会いたい」とか、ふと思い立って電話するとかメールするとか、そんなことしようとしないものな。

自分で提唱した健康法で、100歳過ぎまで生きている人はこの人くらいだろう、という実例も紹介されている。

先日「28歳からのリアル」という本を新古本屋で立ち読みしていたら(買えよ)、「運動する機会がないのなら、スポーツクラブの5千円くらいで入れるコースにでも入って運動しろ。今の5千円くらいの負担で、将来寝たきりになって何万もの医療費を払わなくてすむのなら安いものだ」という論調があって、なるほどナァと思ったり思わなかったり。
なかなか示唆に富んでいる。

特集ワイド:年末年始は健康方程式−−元救急医・井上敬さん
 ◇愚痴や不満の多い人に会うな

 忘年会に新年会、深酒、ストレス、寝正月……。ついつい不健康になりがちな年末年始を目前に、救急医として約1万人の患者に接し、約100人の死を経験した井上敬さん(33)が提唱するのはいっぷう変わった健康法。「不満の多い人に会うな」と言うのである。【小国綾子】

 ◇健康(H)=酸素(O)+簡素な食事(S)+感謝(T)

 年末年始は普段に増して「義理」がのさばる。義理の飲み会に親せき付き合い。嫌な相手と酒を飲み、愛想笑いし、ストレスをためていく。正月が明けた時にはなぜかクタクタ……。

 「究極の健康法は、不満や愚痴の多い人に会わないこと」。こう断じるのは、大阪赤十字病院の救急部に5年間勤務した医師、井上敬さんだ。

 命を救いたいと医師を志し、京大医学部に入学。あらゆる病気にかかわりたいからと救急医療の現場を選んだ。5年間で約1万人の老若男女を診た結論は「対処治療ではなく予防医療を」だった。病院を辞め、「健康方程式」なる健康法を独自に考案し、文芸社から出版。現在は京都を拠点に、各地で講演活動している。

 ■言語感染

 ところで、なぜ「不満の多い人に会うな」が健康法なのか。井上さんは「風邪ならば、最大の予防策はウイルス感染しないよう風邪を引いている人を避けることでしょう? それと同じ。不満や愚痴の多い人と会話するとネガティブな感情が言語感染する。その結果、免疫力も下がってしまう」という。

 実験で証明されてはいないが「愚痴っぽい人と会うと、後でどっと疲れるでしょう?」と言われれば思わず納得。笑いがストレスを軽減し、免疫力を高めるくらいだから、不平不満や愚痴が免疫力低下に作用しても不思議はない。

 井上さんの「健康方程式」とはすなわち、

 H=O+S+T

 Hは健康(health)、Oは酸素(oxygen)、Sは井上さんの造語で「究食」(simplified meals、すなわち簡素な食事)、Tは感謝(thanks)。酸素を十分に取り入れ、食事内容に気を付け、感謝する心を持てば健康になれる、というわけだ。

 「不満や愚痴の多い人は概して感謝する心、つまり『感謝力』が低い。感謝力の低い人は愚痴や不満に共感してくれる共同体を作るのが大好きだから、こちらが相づちを打ったり、一緒になって悪口や愚痴をしゃべってやるとますます勢いづく。年末年始は忘年会や新年会、親せき付き合いの場で『愚痴の多い人』に会う機会も多いが、相手の愚痴や悪口に絶対付き合わないことが大切です」と井上さんは言うのだ。

 ちなみにこの方程式は、井上さんが100歳を超えて長生きしている人のインタビュー記事などを集め、共通点を求めたことから生まれたそうだ。100歳以上の人には、(1)喫煙者はほとんどいない(2)度を超した肥満の人はいない(3)前向きで、感謝の心を忘れない−−という共通点があった。「だからたばこの代わりに酸素を吸い、肥満を避け、感謝しよう、というわけです。あれもこれもダメという禁欲的な健康法や、高額な食品やサプリメントに頼る方法ではなく、普段の暮らしに取り入れられるよう工夫しました」

 ◇ゆったり、ニコニコ過ごそう

 ■横隔膜を鍛える

 方程式にある「酸素」というのは、呼吸法のこと。「健康法といえば運動を思い浮かべる人も多いが、筋力トレーニングのたぐいは健康には関係ない。運動でやせるというのも思い込みに近い。10キロ歩いたところで燃焼する脂肪はわずかです。健康のためには心拍数をあまり上げず、関節に負担をかけない有酸素運動がいい。具体的には水泳や歩くこと。でも、もっと簡単なのが横隔膜呼吸法です」

 5秒間で鼻から息を吸い、胸をいっぱいに膨らませる。5秒間息を止める。この時肛門(こうもん)を締めながら下腹部を膨らませる。「ここが難しい。肛門を締めながらいきむ感じ」。最後に10秒かけてゆっくりと鼻から息を吐き、おなかはへこませていく。

 「腸腰筋(ちょうようきん)と骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)の両方を収縮させ、横隔膜を下げるのがポイント。酸素を最大限に取り入れるとともに、交感神経の緊張を抑え、副交感神経を働かせます。ストレスから心を守る呼吸法といえます」

 現在104歳の内科医、塩谷信男さんが提唱した「正心調息法(せいしんちょうそくほう)」が下敷きになっている。塩谷さんは74歳でヒマラヤ登山、100歳でゴルフを楽しんだ。井上さんは「数々の健康法の中で、提唱者が100歳以上長生きした唯一の例では」という。

 ■1日1飲2食

 次は「究食」。「朝は『休食』、昼は『求食』、夜は『球食』と覚えて下さい」と井上さん。提唱するのは「1飲2食」である。「朝は固形物を避けて胃を休めるため、野菜ジュースなどの液体。昼は炭水化物中心の食事。夜はご飯やめん類など炭水化物は取らず、『球』状つまり大豆製品を主食にする。豆腐や納豆です。今の時代、1日3食ともしっかり食べたら、よほどの肉体労働をしていない限りカロリーの取り過ぎで肥満になる。夕飯も炭水化物は不要。忘年会の鍋物も最後のおじややうどんは食べない。酒を飲んだ後のラーメンなどもってのほか」

 朝食を抜く、という健康法は過去にも何度か話題になった。一般的には「朝食は体温を上げ、脳にエネルギーを送るからしっかり食べよう」と奨励される。しかし、井上さんは「1カ月試してください。朝抜きの方が体調がいいと分かります。聖路加国際病院の日野原重明理事長も新聞のインタビューに『朝はフレッシュジュースとコーヒー牛乳。昼は牛乳とクッキー』『1日に1300キロカロリー取れば良い』と答えています」という。

 ■半年で10キロ減

 「健康方程式」は医学より哲学といった感じで、仮説も多く含まれている。しかし、この方程式の最大の根拠は、実は井上さん自身の体験である。「救急医だったころ、私は誰より不健康だった。たばこは1日20本以上。食事は不規則で、ストレスを3リットルのビールで胃袋に流し込む日々でした。おまけに病院では医者も患者も悪口と愚痴がなぜか増える。体重は80キロもあった。ところが健康方程式で半年に10キロ減量。今はさらに5キロやせ、65キロのベスト体重です。たばこも酒もやめました」

 さらに、感謝の心も。「方程式を提唱して以来、感謝力の高い人との出会いが増えました。06年を振り返り、感謝の気持ちでいっぱいです」

 試すも試さないもあなた次第。でも確かに、年末はニコニコと笑顔で周囲に感謝し、新年を迎えたいものですね。<イラスト・土屋幸男>

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 ファクス03・3212・0279

毎日新聞 2006年12月22日 東京夕刊

ちなみに本文リンクはこちらから。

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20061222dde012040035000c.html

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