ISBN:4480863605 単行本 山田 昌弘 筑摩書房 ¥1,995
ちょっと前にでた本。
前にも書いたが、図書館の棚に所在なげに佇んでいたので、借りてみた。以前には予約して順番待ちしてまで借りたのだが、そのときは読みきれず、というかただ単純に読む時間と心の余裕がなく、読まないまま返却していた。
で、やっと読んだ。

今、我々が暮らしているこの日本の、この社会を覆っている不安定感の源は、「二極化」と「リスク化」である。

中身は、実際に読んでいただければいいので、きわめて簡単に感想を。

今の日本の現状を、簡単な言葉で言い換えつつ、適切なキーワードを散りばめて、わかりやすく説いていく。
「頭のいい人はうまいこと考えるなぁ」と思いながら読んだ。
著者の考える道筋を追っていくような感じで読みつつ、今後の日本はどうなってしまうの?と思うようなはなしが満載。

1990年からこの日本社会の変容は始まっていた、という。
データを駆使して説明されると、ふーん、へー、ほー、の連続。
さらに、98年にも経済の節目があったらしい。

今、3万人を越えている自殺者数が、それまでの2万人前後から増えたのが、98年。フリーターの増加は、99年から。

フリーターの行く末、なんて考えると恐ろしいものがある。まさに社会の不良債権。

1999年から、20〜34歳女性のクラミジア感染率が急上昇している。クラミジア感染率は、不特定多数との性交渉と相関関係があるらしい。青少年の凶悪犯罪も、この歳から増加している。

人を殺したかったから殺した、というような意味不明の犯罪が増えたのも、その頃らしい。

日本社会は不安定化している。その証として、犯罪が増加している。児童虐待も増えている。

この児童虐待の問題の度に叩かれる児童相談所だが、この本によると(というか、データは厚生労働省の統計)、96年には4千件程度だった相談処理件数は、98年に7千件弱、99年に11千件超、2000年には17千件を越え、2003年には26千件(2万6千件ですよ)となっている。

児童相談所が仕事をしていないのではなく、多すぎて個別の事案に十分に対処できないと言うことなのだろうか。

サラリーマンだからといって、いやだからこそ、安穏としていられない。

今の勤務先もいろいろと悪い話も聞くし、このまま勤め続けられる保証などまったくどこにもない。

今のうちから、次の身の振り方を考えておいた方がいいな。

コメント

お気に入り日記の更新

日記内を検索