ISBN:4840216479 単行本 小田嶋 隆 メディアワークス 2000/09 ¥1,575

グレムリン斉藤さんに触発されて、図書館で借りてみる。
以下、興味深かった点をメモがわりに引用。
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学歴のユニークな点は、「社会的な役割としては身分と同じ機能を果たしていながら、それが固定的でない」ところにある。言い換えるなら、「獲得可能な身分」であり」「世襲不能な身分」がすなわち学歴なのである。(66ページ)
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あるいは、学歴は、失恋みたいなものかもしれない。
別れた女を憎んだり怨んだりすることは、ごく簡単なことだ。というよりも、そうせずにいることの方が難しい。
また、別れた女に未練を抱くことも、ごくごく容易なことであり一般に広く行われていることだ。場合によっては、怨みかつ憎みつつ未練を抱くことだって、そんなに難しいことではない。いずれにしても、別れた女というのは、男にとって、こだわってみたところでどうにもならない取り返しのつかない過去ではあっても、自らの血肉に刻まれた経験ではあるわけだから。
であるからして、別れた女を忘れるということは、これは簡単なことのようでいて、ほとんど不可能に近い。
ふられたのでもふったのでも、あるいは片思いに終わったのでも、形はどうあれ(って、このあたりの事情も学歴と人間の関係に似ている)失恋は、忘れるようなものではないわけだ。(96ページ)
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つまり、学歴によって得るものと学歴によって失うものを比較検討してみるとむしろ失うものの方が多いというのだ。(107ページ)
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学歴問題は、環境問題に似ている。(59ページ)。
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残酷ないい方をするなら、進学校の生徒たちが在学中に互いに仲良くしているのは、一種の階級的な親近感にすぎなかったわけなのだ。(43ページ)
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書き下ろしだようだから、小田嶋隆の本の中では異色とも言える。

メディアワークス刊の単行本を借りたが、知恵の森文庫も出ているようで。

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