読売新聞からのコピー
2006年3月21日 時事ニュースhttp://web.archive.org/web/20020212184004/www.yomiuri.co.jp/sports/saltlake/news/kikaku07_04.htm
ROAD TO SALTLAKE 新星たち
(4)カーリング 林弓枝 23(常呂カーリング協会)
職探しの苦労重ね…
「五輪なんて夢のまた夢だった」。でも、力をつけてここまできた。「本番で自分たちの試合さえできれば」。チーム一の冷静なプレーヤーは、はっきりと自信をのぞかせる。
長野五輪の時は、同じクラブのスキップ(主将)加藤章子(23)が日本代表に選ばれた。加藤がいない間、留守を守って代理のスキップだった。
悔しさはなかった。カーリングを始めたのは、中1の時に同級生の加藤から誘われたのがきっかけだった。「彼女は精神的にも強い、すごい人だと思う」と、あこがれのような感情を抱く。五輪で活躍する加藤を見て、ますます見上げるような存在となった。
ソルトレーク五輪では、所属のクラブチームがそのまま代表に選抜された。今度は加藤と共に、チーム一丸で代表の座を勝ち取った。
カーリングをやめようと思ったことは何度もあった。理由の一つは職探しの難しさ。シーズン中は合宿や遠征で忙しく、定職になかなか就けないからだ。
短大卒業後も、夏はアルバイト、冬は競技という生活。ウエートレスやベビーシッターなど、アルバイト先を転々とした。不利になると思い、採用面接では選手であることを隠してきた。一度だけ正直に、冬は練習があるので、と申告したことがある。「思った通り、見事に落ちました」。代表選手の今でも、職探しの苦労は変わらない。
ポジションは、3投目を投げるサード。スキップのラストショットをおぜん立てするチームの要(かなめ)石的な存在だ。以前は技術を磨くことだけで精いっぱいだったが、試合経験も積み、「ほぼ完成の域」に。「最近は楽しさを感じるようになった」と自信もつけた。チームも今は上り調子だ。
その手ごたえを証明してみせたのが今年10月の欧州遠征。強豪が顔をそろえたスウェーデンのマスターズ大会で6位に。各国の五輪代表チームと互角以上に戦った。近江谷好幸コーチ(42)は「日本が簡単に勝てる相手ではないことが証明できた」と及第点を与えた。五輪の目標はベスト4。メダルも射程内だ。
表彰台でメダルを首にかけられたら、「何を思うかな……。きっと今までの苦労を思い出すだろうな」。屈託のない笑顔をみせた。(吉池 亮)
はやし・ゆみえ 78年4月、北海道常呂(ところ)町生まれ。札幌大谷短大卒。91年から同町のクラブチーム「シムソンズ」に所属。同チームで今年の日本選手権を制覇。今年3月のオリンピックトライアルで五輪代表に選出。4月にスイス・ローザンヌで開かれた世界選手権大会では7位。1メートル53、45キロ。
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見かけによらず、すごい人だ。自分が恥ずかしくなるような。
ROAD TO SALTLAKE 新星たち
(4)カーリング 林弓枝 23(常呂カーリング協会)
職探しの苦労重ね…
「五輪なんて夢のまた夢だった」。でも、力をつけてここまできた。「本番で自分たちの試合さえできれば」。チーム一の冷静なプレーヤーは、はっきりと自信をのぞかせる。
長野五輪の時は、同じクラブのスキップ(主将)加藤章子(23)が日本代表に選ばれた。加藤がいない間、留守を守って代理のスキップだった。
悔しさはなかった。カーリングを始めたのは、中1の時に同級生の加藤から誘われたのがきっかけだった。「彼女は精神的にも強い、すごい人だと思う」と、あこがれのような感情を抱く。五輪で活躍する加藤を見て、ますます見上げるような存在となった。
ソルトレーク五輪では、所属のクラブチームがそのまま代表に選抜された。今度は加藤と共に、チーム一丸で代表の座を勝ち取った。
カーリングをやめようと思ったことは何度もあった。理由の一つは職探しの難しさ。シーズン中は合宿や遠征で忙しく、定職になかなか就けないからだ。
短大卒業後も、夏はアルバイト、冬は競技という生活。ウエートレスやベビーシッターなど、アルバイト先を転々とした。不利になると思い、採用面接では選手であることを隠してきた。一度だけ正直に、冬は練習があるので、と申告したことがある。「思った通り、見事に落ちました」。代表選手の今でも、職探しの苦労は変わらない。
ポジションは、3投目を投げるサード。スキップのラストショットをおぜん立てするチームの要(かなめ)石的な存在だ。以前は技術を磨くことだけで精いっぱいだったが、試合経験も積み、「ほぼ完成の域」に。「最近は楽しさを感じるようになった」と自信もつけた。チームも今は上り調子だ。
その手ごたえを証明してみせたのが今年10月の欧州遠征。強豪が顔をそろえたスウェーデンのマスターズ大会で6位に。各国の五輪代表チームと互角以上に戦った。近江谷好幸コーチ(42)は「日本が簡単に勝てる相手ではないことが証明できた」と及第点を与えた。五輪の目標はベスト4。メダルも射程内だ。
表彰台でメダルを首にかけられたら、「何を思うかな……。きっと今までの苦労を思い出すだろうな」。屈託のない笑顔をみせた。(吉池 亮)
はやし・ゆみえ 78年4月、北海道常呂(ところ)町生まれ。札幌大谷短大卒。91年から同町のクラブチーム「シムソンズ」に所属。同チームで今年の日本選手権を制覇。今年3月のオリンピックトライアルで五輪代表に選出。4月にスイス・ローザンヌで開かれた世界選手権大会では7位。1メートル53、45キロ。
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見かけによらず、すごい人だ。自分が恥ずかしくなるような。
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