2011/3/14 「被災者のために使ってもらおうよ」
2011年3月14日 過ぎ去っていく日々の記録日曜日は自宅警備に専念して情報収集の甲斐あって、停電情報も詳細を知った、と思ったが、二転三転、東電のホームページはつながらず、仕方ないので朝日新聞とかYahoo!とかgooなどのページを渡り歩くがよく分からず。結局翌日(今日)
の会社で総務が色々な情報を出すが、それもテキトーだったことが夕方になって判明する。馬鹿ばっかりなんだから。
いつもよりほんのちょっとだけ早めに出勤。真面目なサラリーマンだなぁ、と思いつつ、どうせちゃんと会社に着く人間なぞいないだろうと思う。こんな日に遅刻したって誰も目くじら立てないだろうし、そもそも定時に着くなんて無理だよ、と思ったり。
いつもより少ないとはいいながら、結構頻繁に電車がくる。しかし、来る電車来る電車、超満員。たってる人が窓枠につかまってる。昔の赤羽線みたいだ。
しかし乗り込めばなんとか入る。途中駅で乗り換える。いつものように、だーっとおりる客に逆らって動こうとしない迷惑な客がいるのも、乗換駅で座ろうと横入りする年寄りがいるのもいつもと同じ。黙って文句言わずに整列していて日本人は素晴らしいなんてウソですよ、世界のみなさん。
なんだかんで3分遅れで到着。思ったより早かったなぁ、と思ったら、すでに朝礼が始まっていて、社長がなんか喋ってる。しかも課長以上は全員揃っている。あわわわわ。
しかし社長の言っていることは、「この混乱に乗じて便乗値上げしよう」とまではいかないが、「この困難な時期でも油断することなく商売しよう」というようなもので、幻滅。そんなことしか言えねえのかよ、この馬鹿。
馬鹿はこの部署の若いもんもおなじで、原発がメルトダウンしそうだというのに、つけっぱなしのニュースに全然反応せず、いつものように仕事している。
ちょっと待て、災害とはまったく関係ない業界とは言え、そんなことでいいの?
お前らの関心は、会社に来ることと、目の前の仕事を黙って片付けるだけか?被災者の悲惨な現状や、社員の家族に行方不明者がいるか否かとか、そんなことはどうでもいいのか?
と思っていると、隣の部署が取引のある東北地方の顧客に電話入れしている。
「塩釜、連絡とれません!」
「釜石、誰も出ません!」
とかいっているのだが、そっから先の言葉が出てこない。会社がなくなっているどころか、担当者が津波に飲まれたかもしれないという発想は出てこないのだろうか。
そういう電話入れも30分程度で終わり、たいした総括もない。
「また明日電話しよう」ってなんだよそれ。
午前中はradiko聴いたり、ユーストリームでNHKを見たり。
そうこうしているうちに福島第一原発3号機が爆発する。
「えー、大丈夫なのかよ?」とあたふたしているのは俺だけで、他の人間たちはいつものように静かーに淡々とパソコンに向かっている。
緊急地震警報が鳴ってもばたばたしない。ついでにいうと、地震で揺れながらも女子はキャーキャー騒がないし(騒げよ)、いちいち震度を確認する奴もいない。
・・・つまんない会社だな。
・・・俺がおかしいのか、彼らが普通なのか(同じことか)。
緊急連絡網を今日中に作れ、とか、エライ人が指示出してくるので、ばたばたと紙を回すが、部内の女性はのーんびりしていて夕方帰り際になってやっと出してくる。この女は前から気に入らなかったが、とっととやれよ、この馬鹿。
泥縄で総務がなんか今週の勤務についてお触れを出してくるが、結局何も言っていないのと同じ。
「本日は残業禁止」と謳ってあったが、とある課長職が「今日4時に発表されるデータに基づいて今日中に毎月の資料とグラフを作ってくれ」と言ってくる。
あんたばかぁ?
4時にデータをダウンロードしてそれから表を作って整形してグラフ用シートに入力して・・・データは一つだけではなくて三つあって同じ手間がかかることを3回繰り返さなければならないので、18時までに終わらせるのはとても大変なんですが。
一生懸命取りかかっていると、「明日の資料用にこの資料を10部コピーとってくれ」と言ってくる。が、手が回らないことを見て取ったのか、「あぁ、いいよ、自分でとるわ」と言って去っていく。よっぽど不平不満が顔に出ていたんだろうな。
そしてこんどは、「明日の会議用にこの冊子の付箋貼ったところをコピーとってくれ、但し付箋はコピーとったあとも同じところに貼っておいてくれ」
と同じ人が言ってくる。
この時点で残業確定。
実は今日は銀座でのホール落語に行くつもりだったが、ホームページで中止を知る。楽しみにしてたんだけどなぁ。まぁしかたない、こんなときには笑えないし、銀座行っても楽しくないよ。
電車が動かなくなるから、という理由でとっとと帰っていく人間がいたり、今日の昼に弁当買いに行ったら店はガラガラだが品物は少なく、「今日は作るのに時間がかかります」とアナウンスしていたり、夕方5時過ぎの時点でビルの電気は殆ど消えているような按配なのに、この会社(というか私の上司)は今日中に資料出せだの、残業してコピーとれ、とか抜かすのか。
先日取り替えられた机の引き出しがうまく動かないのでガンガンぶっ叩いてたら、部署の空気が凍る。
腹立ちながらもコピーをとり、チマチマまとめていると、頼んだ人がやってきて「なんか手伝おうか?」
いーえ、けっこーです。
残業して帰宅。図書館に寄る。明日から短縮営業だとか。
いつもとは違う経路で帰宅。どうかなぁ、と思ったら、空いてはないが余裕はあり、落ち着いて帰宅。隣に立った人の肘やカバンが当たるのも、座っている奴が足組んで迷惑なのもいつも通り。
最寄り駅のドラッグストアは照明を落として営業中。怖いもの見たさで入ってみると、スープ春雨のようなカップ入りスープ、カップラーメン、シリアルバー、菓子もろもろの棚がほっとんど空。あぁここもか。
そういや、今日昼間、会社の近所でガイジンがトイレットペーパーとボックスティッシュを大量に抱えていたなぁ。
普段は気にも止めないが、紙おむつの棚もガラガラになっている。また、ここも普段は見ないが、女性用生理用品もスカスカになっている。
そうか、と思ってコンドーム買い占めようかと思ったが、当分色々な意味で使う予定がないのでやめる。
その代わり、いつも使っている制汗剤とブレスケアと、一つだけ売れ残っていたオレオを購入。パンが入ってこなければ、クッキーでも食えばいいさ、くらいのつもりだったのだが。
ついでによったセブンイレブンには、昨日と同じく、牛乳もパンもレトルトのご飯も、カップ麵もカップ春雨もない。
ないけど、考えてみれば別に必要ないのだ。そりゃ、原発が爆発すれば外に出られないから必要かもしれないけど、今は被災者の人に食べてもらおうよ
着の身着のままで、冬の東北の空に放り出された被災者のことを思おうよ。
結局、セブンイレブンでは何も買わずに帰る。
先日、母が言うには、「停電なんて、終戦後はよくあったし、食べるものなんてなんとでもなる、牛乳がなくたって構わないし、米はいつも頼んでいる米屋さんに言えば配達してくれる」とどーんと構えている。
さすがに、戦争を経験してコドモ3人育てたひとは言うことが違う。
俺が子供の頃にも停電はしょっちゅうあった。今みたいに、瞬断なく電気が供給されるようになったのはそんなに遠い昔ではない。食べるものは確かに豊富とは言わないが冷蔵庫冷凍庫には色々あるからまだまだもつ。
米は、いつも買っている米屋は、前の米不足のときにもウチの分をとっておいてくれた。スーパーでなく米屋で買っているとこういうことがあるのだ。今回もおなじだ。
いつもより静かなような気がする街中を歩いて帰宅。
テレビでは、以前よりも悲惨な現状がさらにわかってくる。
何を考えているのかわからないが、母親が見つからないという少女が「おかーさーん」と泣くのを撮る人、指示している人は「いい映像がとれた」とでも思っているんだろうか・・・親に色々なことを教えられて成長していくはずだったのに、この地震で人生が変わってしまった子供たちは、どうやって成長していくのだろうか。
まったく、金もなければ知恵もなく、技術もなければ気遣いもない自分の無能力さに歯噛みするばかりである。
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の会社で総務が色々な情報を出すが、それもテキトーだったことが夕方になって判明する。馬鹿ばっかりなんだから。
いつもよりほんのちょっとだけ早めに出勤。真面目なサラリーマンだなぁ、と思いつつ、どうせちゃんと会社に着く人間なぞいないだろうと思う。こんな日に遅刻したって誰も目くじら立てないだろうし、そもそも定時に着くなんて無理だよ、と思ったり。
いつもより少ないとはいいながら、結構頻繁に電車がくる。しかし、来る電車来る電車、超満員。たってる人が窓枠につかまってる。昔の赤羽線みたいだ。
しかし乗り込めばなんとか入る。途中駅で乗り換える。いつものように、だーっとおりる客に逆らって動こうとしない迷惑な客がいるのも、乗換駅で座ろうと横入りする年寄りがいるのもいつもと同じ。黙って文句言わずに整列していて日本人は素晴らしいなんてウソですよ、世界のみなさん。
なんだかんで3分遅れで到着。思ったより早かったなぁ、と思ったら、すでに朝礼が始まっていて、社長がなんか喋ってる。しかも課長以上は全員揃っている。あわわわわ。
しかし社長の言っていることは、「この混乱に乗じて便乗値上げしよう」とまではいかないが、「この困難な時期でも油断することなく商売しよう」というようなもので、幻滅。そんなことしか言えねえのかよ、この馬鹿。
馬鹿はこの部署の若いもんもおなじで、原発がメルトダウンしそうだというのに、つけっぱなしのニュースに全然反応せず、いつものように仕事している。
ちょっと待て、災害とはまったく関係ない業界とは言え、そんなことでいいの?
お前らの関心は、会社に来ることと、目の前の仕事を黙って片付けるだけか?被災者の悲惨な現状や、社員の家族に行方不明者がいるか否かとか、そんなことはどうでもいいのか?
と思っていると、隣の部署が取引のある東北地方の顧客に電話入れしている。
「塩釜、連絡とれません!」
「釜石、誰も出ません!」
とかいっているのだが、そっから先の言葉が出てこない。会社がなくなっているどころか、担当者が津波に飲まれたかもしれないという発想は出てこないのだろうか。
そういう電話入れも30分程度で終わり、たいした総括もない。
「また明日電話しよう」ってなんだよそれ。
午前中はradiko聴いたり、ユーストリームでNHKを見たり。
そうこうしているうちに福島第一原発3号機が爆発する。
「えー、大丈夫なのかよ?」とあたふたしているのは俺だけで、他の人間たちはいつものように静かーに淡々とパソコンに向かっている。
緊急地震警報が鳴ってもばたばたしない。ついでにいうと、地震で揺れながらも女子はキャーキャー騒がないし(騒げよ)、いちいち震度を確認する奴もいない。
・・・つまんない会社だな。
・・・俺がおかしいのか、彼らが普通なのか(同じことか)。
緊急連絡網を今日中に作れ、とか、エライ人が指示出してくるので、ばたばたと紙を回すが、部内の女性はのーんびりしていて夕方帰り際になってやっと出してくる。この女は前から気に入らなかったが、とっととやれよ、この馬鹿。
泥縄で総務がなんか今週の勤務についてお触れを出してくるが、結局何も言っていないのと同じ。
「本日は残業禁止」と謳ってあったが、とある課長職が「今日4時に発表されるデータに基づいて今日中に毎月の資料とグラフを作ってくれ」と言ってくる。
あんたばかぁ?
4時にデータをダウンロードしてそれから表を作って整形してグラフ用シートに入力して・・・データは一つだけではなくて三つあって同じ手間がかかることを3回繰り返さなければならないので、18時までに終わらせるのはとても大変なんですが。
一生懸命取りかかっていると、「明日の資料用にこの資料を10部コピーとってくれ」と言ってくる。が、手が回らないことを見て取ったのか、「あぁ、いいよ、自分でとるわ」と言って去っていく。よっぽど不平不満が顔に出ていたんだろうな。
そしてこんどは、「明日の会議用にこの冊子の付箋貼ったところをコピーとってくれ、但し付箋はコピーとったあとも同じところに貼っておいてくれ」
と同じ人が言ってくる。
この時点で残業確定。
実は今日は銀座でのホール落語に行くつもりだったが、ホームページで中止を知る。楽しみにしてたんだけどなぁ。まぁしかたない、こんなときには笑えないし、銀座行っても楽しくないよ。
電車が動かなくなるから、という理由でとっとと帰っていく人間がいたり、今日の昼に弁当買いに行ったら店はガラガラだが品物は少なく、「今日は作るのに時間がかかります」とアナウンスしていたり、夕方5時過ぎの時点でビルの電気は殆ど消えているような按配なのに、この会社(というか私の上司)は今日中に資料出せだの、残業してコピーとれ、とか抜かすのか。
先日取り替えられた机の引き出しがうまく動かないのでガンガンぶっ叩いてたら、部署の空気が凍る。
腹立ちながらもコピーをとり、チマチマまとめていると、頼んだ人がやってきて「なんか手伝おうか?」
いーえ、けっこーです。
残業して帰宅。図書館に寄る。明日から短縮営業だとか。
いつもとは違う経路で帰宅。どうかなぁ、と思ったら、空いてはないが余裕はあり、落ち着いて帰宅。隣に立った人の肘やカバンが当たるのも、座っている奴が足組んで迷惑なのもいつも通り。
最寄り駅のドラッグストアは照明を落として営業中。怖いもの見たさで入ってみると、スープ春雨のようなカップ入りスープ、カップラーメン、シリアルバー、菓子もろもろの棚がほっとんど空。あぁここもか。
そういや、今日昼間、会社の近所でガイジンがトイレットペーパーとボックスティッシュを大量に抱えていたなぁ。
普段は気にも止めないが、紙おむつの棚もガラガラになっている。また、ここも普段は見ないが、女性用生理用品もスカスカになっている。
そうか、と思ってコンドーム買い占めようかと思ったが、当分色々な意味で使う予定がないのでやめる。
その代わり、いつも使っている制汗剤とブレスケアと、一つだけ売れ残っていたオレオを購入。パンが入ってこなければ、クッキーでも食えばいいさ、くらいのつもりだったのだが。
ついでによったセブンイレブンには、昨日と同じく、牛乳もパンもレトルトのご飯も、カップ麵もカップ春雨もない。
ないけど、考えてみれば別に必要ないのだ。そりゃ、原発が爆発すれば外に出られないから必要かもしれないけど、今は被災者の人に食べてもらおうよ
着の身着のままで、冬の東北の空に放り出された被災者のことを思おうよ。
結局、セブンイレブンでは何も買わずに帰る。
先日、母が言うには、「停電なんて、終戦後はよくあったし、食べるものなんてなんとでもなる、牛乳がなくたって構わないし、米はいつも頼んでいる米屋さんに言えば配達してくれる」とどーんと構えている。
さすがに、戦争を経験してコドモ3人育てたひとは言うことが違う。
俺が子供の頃にも停電はしょっちゅうあった。今みたいに、瞬断なく電気が供給されるようになったのはそんなに遠い昔ではない。食べるものは確かに豊富とは言わないが冷蔵庫冷凍庫には色々あるからまだまだもつ。
米は、いつも買っている米屋は、前の米不足のときにもウチの分をとっておいてくれた。スーパーでなく米屋で買っているとこういうことがあるのだ。今回もおなじだ。
いつもより静かなような気がする街中を歩いて帰宅。
テレビでは、以前よりも悲惨な現状がさらにわかってくる。
何を考えているのかわからないが、母親が見つからないという少女が「おかーさーん」と泣くのを撮る人、指示している人は「いい映像がとれた」とでも思っているんだろうか・・・親に色々なことを教えられて成長していくはずだったのに、この地震で人生が変わってしまった子供たちは、どうやって成長していくのだろうか。
まったく、金もなければ知恵もなく、技術もなければ気遣いもない自分の無能力さに歯噛みするばかりである。
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