かつて「パイレーツをよろしく」で文壇に華々しいデビューを飾った川西蘭は、その後いつの間にか得度して浄土真宗本願寺派の坊主に、いや失敬、住職になっていた。とはいっても、どこかの田舎の寺で寺の経営を担っている訳ではなく、東京は麻布のお寺で、寺付の住職というようなことになっているらしい。

浄土真宗の篤い信者のことを、「妙好人」と呼ぶらしいのだが、讃岐の庄松という人がいる。この人は浄土真宗の中では有名で、この人の話を聞きに全国から人が押し寄せてくるくらいだったらしい。
ところがこの人、自分が死んだあとには墓は作らないでくれ、と言っていた。
なぜ墓を造ってはいけないのか、と友人が聞くと、庄松はこういった。
「石の下にワシはおらん」


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